自然数が $1,1+1,2+1,⋯ $と表されることに注目した証明法が次の数学的帰納法です.
◇数学的帰納法◇
自然数 $n$ に関する性質 $P$ について,
- ㋐ $n=1$ のとき $P$ が成り立つ
- ㋑ $n=k$ のとき $P$ が成り立つと仮定すると,
$n=k+1$ のときも $P$ が成り立つ
の2つが成り立つとき,$P$ はすべての自然数 $n$ で成り立つ.
自然数は英語で natural number というので,自然数を表すときに $n$ を使うことが多いです.また,数学的な性質を命題といい,命題は英語でproposition というので,数学的な性質は $P$ で表すことが多いです.
㋑で $k=1$ の場合を考えると,「$n=1$ で $P$ が成り立てば,$n=2$ でも$P$ が成り立つ」ということが分かります.よって,㋐と合わせて $n=2$ で $P$ が成り立つことが分かります.
㋑で $k=2$ の場合を考えると,「$n=2$ で $P$ が成り立てば,$n=3$ でも $P$ が成り立つ」ということが分かります.$n=2$ で $P$ は成り立つので,$n=3$ で $P$ が成り立つことが分かります.これを繰り返すことで,すべての自然数 $n$ で $P$ が成り立つことが分かります.
これから自然数の性質を調べていきますが,その証明では数学的帰納法を用いることが多いです.
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