「連分数と楕円積分」杉山健一著
オススメ度 ★★★★★
・連分数,超幾何級数,楕円積分などについて書かれた本で,行間はほとんどなく,誤植もかなり少ないので初学者でも読み通しやすい入門書
・まえがきに「必要な知識は微積分と線形代数」とあるが,第4章からは留数定理や一致の定理といった複素解析の知識,第8章では有限体やルジャンドル記号の知識が必要になる
・第3章までは連分数についての話が進むが,第4章からは連分数は一切登場せず解析的な内容が続くため,「連分数を用いて楕円積分を考察する」という内容ではない
・明確なゴールに向かって話が進むわけではなく「ペル方程式の解」「πの連分数展開」「リーマンゼータ関数の特殊値」「算術幾何平均」「テータ関数」「楕円曲線の有理点」といった雑多な話題について扱われている
・微積分,線形代数,複素解析を学んだことがあり,上記の話題について学びたい人にオススメ

「整数論1 初等整数論からp進数へ」雪江明彦著
オススメ度 ★★★★
・平方剰余の相互法則などの高校数学の範囲で理解できる初等的な内容から,素イデアル分解などの代数学の知識を用いた整数論の初歩的な内容について書かれた整数論の入門書
・多くの話題を取り扱っているため,整数論を学ぶならもっておきたい一冊
・硬派に書かれているため読みやすくはないが,一般的な専門書より行間が少なく,例や演習問題も豊富にあり親切に書かれている
・自己完結に書かれてはいるが,集合論・位相空間論・群論・環論・体論については簡潔に書かれているため,第5章以降は初学だと難しい

「整数論2 代数的整数論の基礎」雪江明彦著
オススメ度 ★★★★
・素イデアルの分岐・分解やディリクレの単数定理などの代数的整数論の基礎的な内容について書かれた本
・第1巻と同様に行間が少なく,例や演習問題も豊富にあり親切に書かれている
・例が話の最後にしか登場せず,抽象的な議論が続く部分もあるが,最後に挙げられた例を用いて途中の議論を追うと理解しやすい
・自己完結になるように測度論などの必要になる部分も書かれている
・ヴェイユ予想の概説などの進んだ話題についても触れられており,モチベーションになる
・第1巻の内容を前提とする部分も多く,第1巻なしに単体で読むのは難しい
・第1巻を終えた代数的整数論を学びたい人にオススメ

「整数論3 解析的整数論への誘い」雪江明彦著
オススメ度 ★★★★
・ディリクレの算術級数定理や素数定理などの解析的整数論について書かれた本
・第1巻や第2巻と同様に行間が少なく,例や演習問題も豊富にあり,またフーリエ解析などの基礎知識から書かれており親切である
・第6章では楕円曲線や保形形式などについての概説もあり,フェルマーの最終定理が示される大まかな流れを具体的に知ることができる
・まえがきに「なるべく第1巻・第2巻に依存しないように心がけた」とあり,単体で理解できる話題もあるが,特に面白い第6章は第1巻・第2巻を読んでいた方が楽しめる
・第5章は抽象的な議論が続くため,特長である親切さが少なく読みにくい
・第1巻・第2巻を終えた解析的整数論を学びたい人やフェルマーの最終定理までの道筋を知りたい人にオススメ

「語り合う京大数学」林俊介・古賀真輝著
オススメ度 ★★★
・京大の入試問題を題材として,関連する大学数学などの進んだ内容が書かれた一般書
・理系の大学生や入試問題の背景知識を知りたい意欲的な受験生にオススメ
・簡単に示せるものには証明が書かれており,証明が大変なものは雰囲気が分かるような例にとどめているため,分かりやすい
・行列の対角化など,知っている前提で書かれている部分もあるため,受験生には理解が難しいところもある
・面倒な解法での解答例があるなどの理由から,受験参考書としてはあまり推奨できない

トップページへ 数学マスターに俺はなるTOP |