[2-5] 整数の加法の性質

整数の加法について,自然数と同様の性質が成り立ちます.

◇整数の加法の性質◇

$x,y,z$ を整数とする.

  1. ① $x+y=y+x$ [交換法則]
  2. ② $(x+y)+z=x+(y+z)$ [結合法則]

自然数の場合と同様に,結合法則により,$x+y+z$ と括弧を省略して書くことができます.また,交換法則により,計算の順序を入れ替えることができます.例えば,次のように工夫して計算できます.

$13+(-29)+37$
 $=13+37+(-29)$
 $=50+(-29)$
 $=50-29=21$

交換法則は $x,y$ の正負で分けて,次のように証明できます.$x,y$ が自然数のときは既に示されているので,残りの場合を調べます.

  1. (i) 整数 $p$ に対し,$p+0=p=0+p$ であるから,$x,y$ の少なくとも一方が0のとき,$x+y=y+x$ である.
  2. (ii) 自然数 $m,n$ に対し,$m+(-n)=(-n)+m$ であるから,$x,y$ の一方が正でもう一方が負のとき,$x+y=y+x$ である.
  3. (iii) 自然数$ m,n$に対し,$(-m)+(-n)=-(m+n)=-(n+m)=(-n)+(-m)$ であるから,$x,y $が負のとき,$x+y=y+x$ である.■

結合法則も同様に示せますが,証明は練習問題にします.

練習問題

(1) $18+(-27)+43+(-62)+79$ を計算せよ.
(2) ②を証明せよ.

解説

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